社会保険労務士の“第4の業務”とは?

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社会保険労務士の“第4の業務”とは?

ここまで、社会保険労務士の1号・2号・3号業務について見てきましたが、業務内容の違い、あるいは独占業務・非独占業務の違いこそあれど、いずれの業務も、社会保険労務士制度がスタートした当初から存在する伝統的な業務であることには変わりありません。

紛争解決手続き代理業務
しかし時代が変われば、人事・労務管理を取り巻く環境も変わる。そして人事・労務管理を取り巻く環境が変われば当然、社会保険労務士に求められる役割も変わってきます。それに伴って社会保険労務士の業務も拡大しており、現在においては、1号・2号・3号業務に続く“第4の業務”とでも言うべき仕事が大きな注目を集めています。

その“第4の業務”は、「紛争解決手続き代理業務」と呼ばれています。少し耳慣れない言葉かと思いますので、全国社会保険労務士会連合会のホームページ上に記載されている「紛争解決手続き代理業務」の内容を、ここでご紹介したいと思います。

個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続の代理(紛争価額が60万円を超える事件は弁護士の共同受任が必要)
個別労働関係紛争解決促進法に基づき都道府県労働局が行うあっせんの手続の代理
男女雇用機会均等法、育児・介護休業法及びパートタイム労働法に基づき都道府県労働局が行う調定の手続の代理
個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせんの手続の代理
*上記代理業務には、依頼者の紛争の相手方との和解のための交渉及び和解契約の締結の代理を含む。


法律の名前や専門用語の類が多くかえってわかりにくかったかもしれませんが、要は、経営者と労働者の間のトラブルを、裁判の場にまで持ち込むことなく、社会保険労務士が間に立つことで話し合いによって解決するというのが「紛争解決手続き代理業務」の要諦となります。

社会保険労務士というと、申請書類を作成したり給与計算をしたり事務仕事が中心というイメージを持っていた方にとって、この「紛争解決手続き代理業務」は新鮮に映ったのではないでしょうか?

ただし「紛争解決手続き代理業務」を行うためには、社会保険労務士資格に加えて「特定社会保険労務士」という資格を別途取得しなければなりません。その取得方法については「特定社会保険労務士になるためのステップ」のページで詳しく解説していますので、興味のある方はそちらも是非参考にしてみてください。



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