スペシャリストとしての企業内社会保険労務士

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スペシャリストとしての企業内社会保険労務士

前のページでは、会社の中の人事・労務に関する事柄ならば何でも行う「ジェネラリスト」としての企業内社会保険労務士の姿をフィーチャーしましたが、ここではその反対に、ある一定の業務を中心に担う「スペシャリスト」としての企業内社会保険労務士の姿に迫ってみたいと思います。

企業内社労士

本人の判断で「ジェネラリスト」ではなく「スペシャリスト」としての道を歩むというケースもあるでしょうが、それよりも、会社の事情によって期せずして「スペシャリスト」になるというケースの方が多いかもしれません。

その最たる例が、大企業にお勤めのケースです。大企業の場合には部署ごとの縦割りが明確で、それに伴い個人で行い得る業務の範囲も限定的。たとえば、総務部に在籍している人間が部署の垣根を越えて人事部の仕事をするといったことは許されません。そのため、企業内社会保険労務士として「ジェネラリスト」的な活動をするのは、会社の構造上、まず不可能です。

しかしその代わりに、給与計算なら給与計算といった具合に、ひとつの業務に関しては徹底的に行うことができるので、スキルの習得スピードも速く、そのぶん「スペシャリスト」としての地位を確立しやすいといったメリットがあります。

また、大企業ではなくても、特殊な業界に在籍している場合にも「スペシャリスト」の道に進む可能性が高くなります。こちらもひとつ例を挙げるならば、たとえば建設業界などですと、労災保険関係の仕事のニーズが高く、自ずとその専門家になるといったケースが考えられます。

将来、企業内社会保険労務士から開業社会保険労務士への転身を考えている人にとっては、ひとりで何でもこなせる「ジェネラリスト」の方が有利と思われるかもしれませんが、一概にはそうとも言えません。

開業社会保険労務士には何よりも営業力が求められるわけですが、「スペシャリスト」として何かひとつ武器(得意分野)を持っているということは、営業面で非常に有利に働きます



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